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全固体電池AS-LiB®の用途事例目次 全固体電池の一般的な用途について全固体電池の一般的に想定されている用途について解説します。 ▼想定される用途
ドローン市場全固体電池は高いエネルギー密度や、副反応が少ないことにより長寿命が期待されることから、ドローンの長時間飛行を可能にすると注目されています。 またドローン墜落時の安全性も期待されます。 ウェアラブルデバイス市場ウェアラブルデバイスの小型化に寄与する他、デバイスのバッテリー持続時間を延ばすことが可能になると注目されています。 また、ウェアラブルデバイスは人体にも触れることから安全であることが不可欠となります。 軍事・防衛市場野営中に使用する電源として可搬性や携帯性を考慮すると、高いエネルギー密度で安全な全固体電池が期待されています。 無停電電源装置(UPS)市場いざというときにバックアップができるように、全固体電池の高い充電保管特性や信頼性の他、長寿命性の観点から注目されています。 ポータブル電子機器スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの電子機器において、全固体電池適用により薄型化、軽量化できる可能性が注目されています。 また高い安全性と長寿命性の観点からも注目されています。 航空宇宙極限環境での信頼性が求められる航空宇宙用途において、全固体電池は高い安全性と安定性を提供できる可能性が注目されています。 特に、液体電解質を使わないことから膨張しないため真空状態の宇宙環境や、使用環境の気温差が激しい航空分野でも注目されています。 医療機器ペースメーカーや携帯型医療機器などの分野でも、全固体電池は注目されています。 安全性の高さや小型化が可能であり、デバイスの設計自由度が高まるのではないかと期待されています。 全固体電池AS-LiB®特殊環境での用途ここで、カナデビアの全固体電池AS-LiB®についてご紹介します。 全固体電池AS-LiB®は高温・低温・真空環境でも安全に使用できる特長を有しています。 そのため、半導体製造装置等の産業機械(装置)、航空宇宙機器(設備)、医療機器などへの用途展開を行っています。 航空・宇宙機器への使用(高低温)従来、宇宙で使用されているリチウムイオン電池は、液体を使用している点や使用温度領域が狭い点から、真空かつ温度の高低差が激しい過酷な宇宙環境では使用が困難なため、衛星等の設備内部に設置され、温度を管理しながら使用されています。 特に月面探査においては、日照時最大120℃、日陰時に-170℃という過酷な環境に長時間晒されるため、高低温でも運用可能な二次電池が期待されています(内藤 均著 『全固体電池の宇宙機への適用』巻号:54巻6号P316-320(2019年))。 全固体電池AS-LiB®は-40℃~120℃という広い温度範囲で動作可能であるため、AS-LiB®を用いることで、温度管理や熱管理が不要となる、もしくは簡略化できるため、宇宙環境で利用する設備の小型・軽量化や低消費電力化に寄与することが可能となります。 半導体製造装置メーカーがAS-LiB®を採用半導体製造装置メーカー向けに、当社製全固体リチウムイオン 電池「AS-LiB®」(140mAh タイプ)を1ロット(12 個)受注しました。 今後、同社からの継続的な受注が期待されます。 AS-LiB®については、これまで様々な業界向けのサンプル提供品を受注してきましたが、実際の製品(装置)に組み込まれる商業ベースでの受注は今回が初となります。 半導体製造装置(高低温・真空)半導体製造装置向けウエハー型温度測定器「WAFER LOGGER(開発中)」は、シリコンウエハー上に直接回路を実装し、ケーブルなしで温度を計測、記録できるものとなっております。AS-LiB®を適用することにより、より過酷な環境(高温、低温、真空)での動作、測定が可能となります。 参考:八洲測器製 「WAFER LOGGER(開発中)」 高温になる工場設備やインフラ設備の点検用途等にもAS-LiB®が適用できる可能性があります。 医療機器(高温)電気メス等手術機器や医療器具は115℃~135℃程度の温度で滅菌が必要となるものがあります。 AS-LiB®は使用可能温度範囲が広いため、このような滅菌工程にも対応が可能です。滅菌が必要となる手術機器や医療器具にAS-LiB®を適用することで、これら機器・器具ごと滅菌工程を通すことができるようになるため、無線化が可能となり、また機器・器具の設計の自由度が高まります。 宇宙機器への適用に向けてAS-LiB®は揮発成分を最低限に抑えた電池構成を実現し、真空環境でも大きく膨張することがありません。 2022年に国際宇宙ステーション(ISS)に向けてAS-LiB®を搭載した全固体電池軌道上実証装置(Space AS-LiB)を打ち上げ、その後世界で初めて宇宙暴露環境(1.0×10-5 Pa)で全固体リチウムイオン電池の充放電が可能であることを確認するとともに、1年以上にわたる長期の充放電サイクル運用を達成することができました。 Space AS-LiBは2023年12月に宇宙から地球に帰還し、当社築港工場にて解体分析調査などを行っております。 関連記事 JAXAと日立造船との共同研究 世界初、宇宙での全固体リチウムイオン電池の充放電機能を確認 全固体電池AS-LiB®の用途事例紹介AS-LiB® 55mAhセル 事例
半導体製造装置向けウエハー型温度測定器「WAFER LOGGER(開発中)」は、シリコンウエハー上に直接回路を実装し、ケーブルなしで温度を計測、記録できるものとなっております。
AS-LiB®を適用することにより、より過酷な環境(高温、低温、真空)での動作、測定が可能となります。 AS-LiB®140mAhセルの用途事例紹介【本実証実験で使用した全固体リチウムイオン電池の概要】 カナデビアが開発した全固体リチウムイオン電池 サイズ:65mm×52mm×2.7mm 質量:25g 容量:140mAh(15セル並列接続により約2.1Ahの電源として使用) |
執筆者
カナデビア株式会社 開発本部 電池事業推進室
機械加工技術を活用した独自の製造方法によりAS-LiB®(All-Solid-state Lithium-ion Battery)を開発しました。 |
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