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全固体リチウムイオン電池のメリットとデメリット





目次
  1. 01全固体リチウムイオン電池のメリット
  2. 02全固体電池のデメリット
  3. 03全固体電池とリチウムイオン電池との比較 まとめ






全固体リチウムイオン電池のメリット



全固体リチウムイオン電池のメリットを電解液系リチウムイオン電池との比較で解説します。



安全性の向上



液漏れの心配なし

全固体電池は液体電解質を使用しないため、液漏れのリスクがありません。
従来の電解液系リチウムイオン電池では液漏れが発生すると、周囲の機器や人体に悪影響を与える可能性がありますが、全固体電池ではそのような液漏れの心配がありません。
これにより、電子機器の設計や運用において安全性が大幅に向上します。

特に、医療機器や家庭用電気製品など、安全性が求められる製品において、その可能性が注目されています。

さらに、液漏れが原因で起こる火災や化学物質による健康被害のリスクがなくなることが安全性の向上につながると考えられています。


発火リスクの低減

固体電解質は難燃性が高いため、発火や破裂のリスクが従来のリチウムイオン電池に比べて大幅に低減されます。
特に高温環境や衝撃に対しても安全性が高く、航空機や電気自動車など安全性が最優先される用途において非常に有利です。
これにより、より安全なエネルギー貯蔵ソリューションとして、さまざまな産業での導入が期待されます。

例えば、航空機のバッテリーや電気自動車のバッテリーとして採用されることで、事故リスクが大幅に低減されます。


可燃性ガスの発生なし

全固体電池は発熱などによる可燃性ガスの発生がないため、発煙や破裂のリスクがありません。
これにより、使用環境が厳しい条件下でも安全に運用でき、長期間の安全性が確保されます。

例えば、軍事用途や極地探査など、過酷な環境での使用が求められる場面でも、その信頼性は大きなアドバンテージとなります。
さらに、家庭用の蓄電池システムとしても、安全性の高さから採用が進む可能性があります。




耐久性の向上



長寿命

全固体電池は劣化が少なく、長寿命を実現します。固体電解質は高温でも電解液のように分解しないため、電極の劣化も抑えられ、結果として充放電サイクル数が増加します。
これにより、長期間の使用が可能であり、メンテナンスコストの削減にもつながります。

例えば、再生可能エネルギーの蓄電システムやスマートグリッドにおいて、全固体電池の長寿命は大きなメリットとなります。

特に、風力発電や太陽光発電のような変動の大きい電力を効率的に蓄えるために、全固体電池の信頼性と耐久性が求められます。


高温・低温耐性

全固体電池は広範な温度範囲でも安全に動作し、特に高温環境下での性能が優れています。これにより、極限環境でも使用可能であり、例えば航空宇宙分野や深海での使用が期待されます。

また、低温環境でも性能が維持されるため、寒冷地での利用にも適しています。これにより、幅広い用途での適用が可能となり、エネルギーソリューションの多様性が拡がります。

特に、寒冷地でのバッテリーとして、全固体電池の性能は従来のリチウムイオン電池に比べて優れています。



環境への影響が少ない



VOC排出の低減

全固体電池は製造過程で溶媒を使用しないため、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少なく、環境負荷の低減が期待されます。 これにより、より環境に優しい製造プロセスが可能となり、環境保護に寄与します。

特に、環境規制が厳しい地域や産業において、全固体電池の採用が進むことが期待されます。さらに、製造工程における廃棄物の削減やエネルギー効率の向上にも寄与します。


リサイクルの容易さ

全固体電池はリサイクルが容易であり、使用済み電池の処理面で環境に優しいです。 .電池の構成材料が再利用可能であり、廃棄物の削減に貢献します。

これにより、持続可能なエネルギーシステムの構築が進み、資源の有効活用が促進されます。特に、リサイクルプロセスが簡便であることから、循環型社会の実現に寄与します。




高エネルギー密度の可能性



全固体電池は理論的にリチウムイオン電池よりも高いエネルギー密度を持つ可能性があります。 また、より高容量、高電圧な材料を使用可能となるため、将来的にはリチウムイオン電池に勝るエネルギー密度を実現できる可能性があります。

技術が進展することで、より高性能な電池が期待されます。 これにより、さまざまな分野での応用が広がる可能性があります。また、高エネルギー密度の実現により、スマートフォンやノートパソコンなどのポータブルデバイスの使用時間が延長されます。

これにより、消費者の利便性が向上し、製品の競争力が高まります。さらに、ドローンやウェアラブルデバイスなど、エネルギー効率が求められる新興分野での応用も期待されています。






全固体電池のデメリット



全固体電池のデメリットを電解液系リチウムイオン電池との比較で解説します。


製造コストが高い



全固体電池のネックは製造コストが高く、製品価格も高価になることです。


高価な材料と製造プロセス

固体電解質や高温製造プロセスが必要であり、現時点では製造コストがリチウムイオン電池と比べて高いです。 これは大量生産技術の未確立によるもので、コスト削減が普及の鍵となります。 特に、特殊な材料や高精度な製造設備が必要なため、初期投資が大きくなります。 これにより、商業化へのハードルが高くなっています。


プロセスの複雑さ

全固体電池の製造には高度な技術が必要であり、その複雑さが製造コストの高さに寄与しています。 製造プロセスの最適化と効率化が求められます。 これには、製造技術の革新とともに、スケールアップによるコスト削減が重要となります。さらに、製造プロセスの自動化と品質管理の強化が必要です。



技術的な課題



全固体電池はメリットが多い反面、技術的な課題もまだ多数残されています。


大規模生産の難しさ

全固体電池は均一な固体電解質の製造が難しく、現時点では大規模生産が進んでいません。

特に、品質の安定化とコスト削減が重要な課題となっています。これには、製造ラインの整備やプロセスの標準化が開発メーカーの課題となっています。


電極と固体電解質の接触抵抗

固体電解質と電極の界面での抵抗が大きく、これが電池の効率を低下させる要因となっています。

この問題を解決するためには、材料の最適化と製造技術の向上が必要です。特に、界面の接触抵抗を低減する技術が求められます。



エネルギー密度の課題



現時点ではリチウムイオン電池と同等のエネルギー密度を実現できていないのが現状です。 特に、固体電解質の性能向上と高密度電極の開発が重要です。

これらが開発されれば、全固体電池の実用化が促進され、エネルギー密度の向上により、軽量化や小型化が進み、様々な応用分野での利便性が高まります。


温度依存性



全固体電池の固体電解質は、低温下でのイオン伝導性が低下するため、これが性能に影響を与えることがあります。 低温環境での性能向上には、固体電解質材料の改良が必要です。

また、高温環境での安定性も確保する必要があります。






全固体電池とリチウムイオン電池との比較 まとめ




特徴 全固体電池 リチウムイオン電池
安全性 高い(発火・破裂リスク低い) (液漏れ・発火リスクあり)
寿命 長い 通常
温度耐性 広範囲(高温・低温に強い) 通常
環境影響 低い(VOC排出少ない) 高い(VOC排出あり)
製造コスト 高い 低い
技術課題 多い(大規模生産・接触抵抗など) 少ない
エネルギー密度 改善の余地あり 高い



全固体電池は、安全性や耐久性の面で多くのメリットを持ち、将来的にはリチウムイオン電池の代替やリチウムイオン電池では使用できなかった環境での使用が期待されています。 しかし、まだまだ技術的な課題とコストの高さが普及の障害となっています。

一方、リチウムイオン電池は既存技術として広く普及している一方で、安全性や環境影響に課題を抱えています。

全固体電池の普及が進むことで、より安全で環境に優しいエネルギーソリューションの実現が期待されています。 そのため、持続可能な社会の実現に向けて、大きな一歩を踏み出すことが期待されます。

また、全固体電池の技術開発は、エネルギー効率の向上だけでなく、環境保護にも大きく貢献する可能性があります。

全固体電池の普及により、化石燃料への依存が減少し、温室効果ガスの排出削減が進むことが期待されます。これにより、地球温暖化の抑制や大気汚染の改善に寄与することができます。

さらに、全固体電池の技術進化は、新しいエネルギー産業の創出にもつながります。 新たな雇用機会の創出や経済成長の促進に寄与し、地域経済の活性化にも貢献するでしょう。これにより、全固体電池は経済的な側面からも重要な役割を果たすことが期待されます。





将来のゲームチェンジャーになり得る次世代電池の大本命

全固体リチウムイオン電池は、構成するすべての材料に固体物質を使用した電池です。

当社は、機械加工技術を活用した独自の製造方法によりAS-LiB®(All-Solid-state Lithium-ion Battery)を開発しました。

この製造方法により、従来の全固体リチウムイオン電池の充放電時に必要であった機械的加圧が不要になりました。

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AS-LiB®に関するお問い合わせ AS-LiB®カタログはこちら




執筆者
カナデビア株式会社 開発本部 電池事業推進室

機械加工技術を活用した独自の製造方法によりAS-LiB®(All-Solid-state Lithium-ion Battery)を開発しました。
独自の乾式製造プロセス・製造装置の構築や、特殊環境で使用可能な電池仕様の確立に特に力を入れています。



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